離婚を考えているが子供がいるならやはり養育費のことも気になります。
しかしあえて「養育費なんてなくてもいい!」と離婚の覚悟をしている妻もたくさんいます。
ここでは一度じっくりと「養育費なしの離婚」について考えてみましょう。
「養育費なし」でも離婚する理由
離婚の条件の話し合いで妻の方から
「養育費なしでいい!」
「養育費なんていらない!」
というケースがあります。
その理由としては
・そのかわり子供の親権は私に渡してくれ!
・ほとほと愛想が尽きた。一刻も早く離婚したい!
・もう二度と会いたくないし子供にも会わせたくない!(面会交流拒否)
・夫よりも妻に経済的収入があるから養育費なんていらない!
というものがあります。
もう頭に血が昇ってカッカしている妻からすれば「たとえ養育費無しでも今すぐ離婚できればいい!」と考えてしまうのもよくわかります。
『養育費なしで離婚が成立』したらもう養育費は再請求できないか?
実際、「養育費なしで離婚が成立」というケースは少なくありませんし、その取り決めは夫婦の約束事として有効かもしれません。
しかし、いくら「養育費なしで離婚が成立した」といっても「親の子供の扶養義務」はなくなってはいないということは知っておいてください。
たとえ自分に子供の親権がなくてもです。
このあたりはきちんと法律で定められています。
扶養を受ける権利は、処分することができない。
つまり、「養育費なしで離婚が成立したのだからもう金輪際関係ない!」とはいかないのです。
ただ、親権を得て子供を引き取った親(親権者・監護者)に十分な経済的能力がありきちんと子供が養育できている場合には非親権者(非監護者)に養育費を請求する理由はありません。
しかし、進学や病気の治療費などさまざまな事情で引き取った親(親権者・監護者)に十分な扶養料(養育費)がない場合は非親権者(非監護者)に対して扶養義務の請求をすることはできます。
離婚調停で(夫婦が)養育費なしの合意があっても無効になる
離婚調停でたとえ「養育費なし」の合意があっても無効になるケースがほとんどです。
親と子には「生活保持義務」というものがあり、離婚しても親子ですから自分と同程度の生活を保障する義務があります。
離婚後数年経っても養育費は請求できます
離婚後しばらく経過してから養育費を請求することはできます。
これは妻(または夫)から夫(または妻)にするものではなく子供が親に対して請求するものです。
このあたりは「養育費」と「扶養料」とで意味合いは少し異なりますけどね。
進学費用などのために非親権者(非監護者)に学費の援助」を求めるケースなどが考えられます。
ただ相手がそれを拒絶するなら「調停」も考えなくてはいけないかもしれませんが、相手にそれだけの経済的余裕がなければ「無い袖は振れん」という結果になるかもしれません。
「養育費なし」なんだから面会交流は拒絶できる?
「養育費の支払いなし」と「面会交流拒否」とはえてして離婚合意成立の交渉取引条件になってしまいがちです。
やはり子供の養育費を支払わない親には子供との面会交流も難しくなるのは仕方ありません。
面会交流は夫婦(元夫・元妻)との取り決め約束事です。
そこで双方が合意できればよいことなのですが、とかくこのあたりを口約束だけの状態にされてしまう夫婦もたくさんいます。
離婚届けにもこのあたりを記入する欄もあるのですが簡略化されたものであり細かい諸条件は記入することはできません。
参考:離婚届はダウンロードしてコンビニで印刷すれば簡単に入手できる
ですからきちんと公正証書などで子供との面会交流の内容などを証明するものを残しておく必要があります。
なぜなら・・・
子供との面会交流の調停の申し立てを行う父親が増えている
ただの口約束や簡素な離婚届けの面会交流記入欄にチェックを入れただけでは「元夫の子供との面会交流拒否」には不十分かもしれません。
子供の親権は今でも母親が有利ですが、子供との面会交流では「子の利益」の観点から少し世の中の流れが変わってきているように感じるからです。
このあたりはすごく難しい問題ですね・・・