なんで私が訴えられる？サレ妻でも知っておくべき浮気相手からの名誉棄損リスク

「夫に裏切られた怒りと悲しみの中で、どうしても浮気相手に対して何かを言わずにはいられない…」
そんな気持ちになるのは当然のことです。
しかし、感情のままに行動してしまうと、思いもよらないトラブルに巻き込まれてしまう可能性があります。

実は、夫の浮気相手に対して名誉を傷つけるような発言や行動を取ってしまうと、逆に「名誉棄損」で訴えられるリスクもあるのです。
これでは、自分の立場がさらに不利になってしまいかねません。

では、サレ妻として正当な権利を守りつつ、余計なトラブルを避けるためには、どのような点に気を付けるべきなのでしょうか？

この記事では、浮気相手への接し方や言動で気を付けるべきポイントを具体的に解説。法律上のリスクや注意点を知ることで、冷静に状況に対処できるようになります。

怒りや悲しみを抱えながらも、あなた自身を守るためにできる最善の選択肢を一緒に考えていきましょう。

サレ妻が逆に夫の浮気相手から名誉棄損で訴えられないために気をつけること5選

「サレ妻」の状況で、夫の浮気相手に対して名誉毀損で訴えられないために気を付けるべきことは、以下のとおりです。
感情的に辛い状況ではありますが、冷静な対応が重要となります。

①事実の摘示であっても、公然の場での発言は避ける

たとえそれが事実なことであっても、不特定多数の人が認識できる状況での発言は名誉毀損に該当する可能性があります。
例えば、SNS（Twitter、Facebook、Instagramなど）への投稿、インターネット掲示板への書き込み、不特定多数の人がいる場所での大声での発言などが該当します。

公然と摘示すれば名誉毀損が成立する可能性があるので注意してください。

よくある間違いは「本当にあったことだから言っても良い」という勘違いです。
名誉毀損は、真実性だけではなく、公然性や違法性阻却事由の有無も考慮されます。

また、特定の少人数に伝える場合でも、その範囲が広がる可能性がある場合は注意が必要です。
例えば、友人グループのLINEグループで浮気相手について話した場合、その情報が拡散する可能性があります。

②侮辱的な言葉や誹謗中傷は絶対に避ける**

「この不倫女！」
「泥棒猫」
そんな侮辱的な言葉を使うことは、名誉感情を侵害する行為として名誉毀損に該当する可能性が高いです。

「このデブ！」
「ブス！」
「性悪女！：
など容姿や性格などを中傷する言葉も避けるべきです。

たとえ感情的に許せない気持ちがあっても、冷静に対応することが大切です。
具体的な事実に基づかない噂や憶測を広めることも避けてください。**

③職場や家族など、関係のない第三者に言いふらす行為は避ける

浮気相手の職場や家族に不倫の事実を伝える行為は、名誉毀損に該当するリスクが高いです。
社会的評価を低下させる行為とみなされる可能性があります。

たとえ真実であっても、正当な理由なく他人に暴露することは違法となる可能性があります。

④行き過ぎた抗議や付きまとい行為は避ける

浮気相手の自宅や職場に押しかけて大声で騒いだり、執拗に電話やメールをしたりする行為は、名誉毀損だけでなく、場合によっては脅迫罪やストーカー規制法違反に問われる可能性もあります。
冷静に話し合うことが難しい状況であれば、直接接触することを避け、弁護士などを通して交渉することをおすすめします。

⑤証拠を集める際は、違法な手段を用いない**

不倫の証拠を集めることは重要ですが、違法な手段（例：不法侵入、盗聴、不正アクセスなど）を用いて得た証拠は、裁判で証拠として認められない可能性があります。
また、場合によっては自身が罪に問われる可能性もあります。

このあたりは弁護士に相談したり、プロの探偵に相談して適切な証拠収集方法についてアドバイスを受けることをおすすめします。**

怒りに任せちゃダメ！サレ妻が知っておくべき名誉棄損の基礎知識

夫の不倫を知り、激しい怒りや悲しみに暮れるのは当然のことです。
しかし、その怒りの矛先を間違えてしまうと、思わぬ落とし穴にはまる可能性があります。
それが「名誉棄損」です。

「サレ妻」と呼ばれる被害者的立場であっても、相手に対して不用意な言動を取ることで、逆に訴えられてしまうケースも少なくないのです。
ここでは、感情的な行動に出る前に知っておくべき名誉棄損の基礎知識を、わかりやすく解説していきます。

名誉棄損とは？わかりやすく解説

名誉棄損とは、不特定または多数の人に対して、具体的な事実を摘示することで、人の名誉を毀損する行為です。
ここでいう「名誉」とは、人の品性、徳行、名声、信用など、社会的な評価を意味します。
つまり、他人からどう見られているか、社会からどう評価されているかという、その人の社会的な立場や評判を傷つける行為が名誉棄損に該当するのです。

例えば、「〇〇さんは不倫をしている」という情報を、SNSや職場で言いふらす行為は、相手の社会的な評価を低下させる可能性が高いため、名誉棄損に該当する可能性があります。

名誉棄損の成立要件の３つのポイント

名誉棄損が成立するには、以下の３つの要件をすべて満たす必要があります。

これらの要件がすべて揃った場合に、名誉棄損が成立する可能性があります。

事実を伝えるだけでも名誉棄損になる？

「事実だから何を言ってもかまわないはず！だって嘘じゃないんだから！」というのは間違いです。
たとえそれが真実の情報であっても、公然の場で摘示し、相手の名誉を毀損すれば、名誉棄損が成立する可能性があります。

ただし、以下の場合は例外として、違法性が阻却されることがあります。

しかし、あなたの夫の浮気でこれらの例外に該当することは少ないと思います。
個別の状況によって判断されますが、安易に判断するのは危険です。

どこからがアウト？名誉棄損の線引き

名誉棄損の線引きは非常に難しいです。具体的な事例で見ていきましょう。

重要なのは、不特定多数に情報が伝わる可能性があるかどうか、そして相手の社会的な評価を低下させる内容かどうかという点です。

名誉棄損で訴えられた場合のリスク

名誉棄損で訴えられた場合、民事責任と刑事責任を問われる可能性があります。

このように、名誉棄損で訴えられた場合、大きなリスクを負うことになります。感情的な行動に出る前に、法的リスクを十分に理解しておくことが重要です。

こんな言動はアウト！サレ妻が浮気相手に名誉棄損で訴えられた事例

夫の不倫を知った時の怒りや悲しみは、言葉では言い表せないほどでしょう。
しかし、その感情に任せて行動してしまうと、思わぬ形で自分が不利な立場に立たされることがあります。
特に、浮気相手に対する言動は、名誉棄損で訴えられるリスクを伴います。

ここでは、サレ妻が陥りやすい名誉棄損の事例を具体的に紹介し、法的なリスクについて解説します。

SNSでの暴露投稿：思わぬ落とし穴

SNSは不特定多数の人が閲覧できる公共の場です。
そこで浮気相手に関する情報を投稿することは、名誉棄損のリスクが非常に高い行為と言えます。

これらの投稿は、名誉棄損の成立要件である「公然性」「事実の摘示」「名誉毀損」を満たす可能性が高く、訴訟に発展するリスクがあります。
たとえ投稿を削除しても、スクリーンショットなどで証拠が残っていれば、責任を問われる可能性があります。

職場への電話：冷静さを欠いた行動の代償

浮気相手の職場に電話をかけ、不倫の事実を伝える行為も、名誉棄損に該当する可能性があります。
職場は社会生活における重要な場所であり、そこで名誉を傷つけられることは、本人にとって大きな不利益となります。

これらの行為は、浮気相手の職場における社会的評価を低下させる可能性が高く、名誉棄損に該当するリスクがあります。
また、業務妨害に問われる可能性もあります。

直接対決での暴言：感情的な言葉の危険性

浮気相手と直接対峙した際に、感情的になって暴言を吐いてしまうケースも少なくありません。
しかし、このような行為も名誉棄損や侮辱罪に問われる可能性があります。

これらの行為は、相手の名誉感情を侵害する侮辱罪、または名誉棄損に該当する可能性があります。
特に、公衆の面前で暴言を吐いた場合は、罪が重くなる可能性があります。

慰謝料請求と名誉棄損：同時進行のリスク

不倫の慰謝料請求を行う際に、相手を非難する言動がエスカレートし、名誉棄損で訴えられるケースもあります。
慰謝料請求は正当な権利行使ですが、その過程で相手の名誉を不当に傷つけてしまうと、逆に訴えられるリスクがあることを認識しておく必要があります。

これらの行為は、慰謝料請求とは別に、名誉棄損として訴えられる可能性があります。

裁判事例から学ぶサレ妻が名誉誉棄損で訴えられたケース

過去の裁判事例から、どのような言動が名誉棄損と判断されるのかを学ぶことは、非常に重要です。

事例１：SNS投稿による名誉棄損

ある女性が、夫の浮気相手のSNSアカウントを特定し、そのアカウントに「不倫相手」「家庭崩壊させた女」などとコメントを投稿しました。
裁判所は、これらの投稿が名誉棄損に該当すると判断し、慰謝料の支払いを命じました。

事例２：職場への電話による名誉棄損

ある女性が、夫の浮気相手の職場に電話をかけ、不倫の事実を伝えました。
その結果、浮気相手は職場内で孤立し、精神的な苦痛を受けました。裁判所は、この行為が名誉棄損に該当すると判断し、慰謝料の支払いを命じました。

サレ妻が名誉棄損で訴えられないための法的リスクを避けつつ、正しく対処する方法

、浮気相手への報復行為は、名誉棄損で訴えられるリスクを伴います。そこで本記事では、法的リスクを避けつつ、正しく対処するための方法を段階的に解説します。

感情的になりやすい状況ですが、まずは冷静になることが最も重要です。以下の3つのステップを意識しましょう。

この段階で、浮気相手に直接連絡を取ったり、SNSで暴露したりする行為は絶対に避けましょう。

証拠収集のコツと注意点：プロが教える安全な方法

不倫の事実を立証するためには、証拠が重要となります。
しかし、違法な手段で得た証拠は、裁判で証拠として認められない可能性があります。

安全な証拠収集方法を以下にまとめます。

浮気相手の情報週については、こんな注意点があります。

とはいえ、きれいごとだけで浮気調査はできません。
細心の注意を払ってください。

弁護士相談のタイミングと選び方

弁護士への相談は、早い段階で行うことをお勧めします。
適切なタイミングと選び方を以下に示します。

弁護士に相談することで、法的なアドバイスを受けられるだけでなく、精神的な支えにもなります。
このあたりは浮気調査を依頼した探偵会社に相談するのも良いでしょう。
浮気調査のプロの探偵は浮気問題に強い弁護士もよく知っているものです。

慰謝料請求の正しい進め方：法的に安全な対処法とは

慰謝料請求を行う場合は、以下の点に注意しましょう。

法的に安全な対処法は、やはり感情的な言葉を使わず、客観的な事実に基づいて請求しましょう。
弁護士に依頼し、代理人として交渉や訴訟を進めてもらうことで、法的なリスクを回避することができます。

離婚を考える前に：サレ妻の心のケアと将来設計

不倫問題は、心身に大きな負担を与えます。
離婚を考える前に、まずは自身の心のケアを優先しましょう。
そして、今後の生活設計についても考えておきましょう。

この段階で、焦って離婚を決断する必要はありません。
まずは自分自身を大切にし、将来についてじっくり考える時間を持つことが大切です。